虹は何色あるか?

「虹は何色あるか?」

常識だと思うこの問いも実は文化に
よって回答が違うことが知られています。

 

・アメリカは6色

・ドイツは5色

・台湾(ある地域)は3色

と回答するそうです。

 

これは色に対する概念が異なり色を表現する
言葉があるのか、ないかで同じ虹を見ても

 

"捉えることのできる色の数"

 

が変わってくるのです。

 

 

人はもってる認識を通し物事を捉えます。

 

なので認識できないことは
捉えることができません。

 

例えばワインのソムリエを
目指す人がいたとしましょう。

 

最初飲んだ時は

「わずか3種類ぐらいしかわからない」

と言っていたソムリエさん。

 

今は100種類以上を見分けるまでに。

 

修行の末

・ワインに潜む複雑な香り

・酸味などを含めた味わい

を認識できるようになったのです。

 

美容室のカラーは100種類以上ある

美容室の現場に置き換えると、この

 

“解像度の差”

 

が頻繁に起こります。

 

私たちは毎日のように

・色味

・レベル

・透明感

 

を見比べ

・100色以上あるカラーの違い

・6レベルと8レベルの違い

・同じブラウンの中に潜む微妙な違い

・赤み・黄み・くすみの違い

も捉えます。

 

ところが多くのお客様にとっては
そこまで精密に色を切り分けるための

 

語彙や経験がないんです。

 

どうかアナタの比べないでください。

 

相手は美容師ではなく素人なのです。

 

こちらが

 

「ここまで寒色に振ると肌映りが青白くなります」

 

と説明しても、お客様の目には

 

“だいたい茶色”

“なんとなく明るい”

 

と映っていることが
珍しくないのです。

 

虹を3色と答える文化圏の方に
7色の細分化を求めたとします。

 

コレが伝わりにくいのと同じで

 

プロの解像度をそのまま相手に当てはめる

 

とコミュニケーションにずれが生まれます。

 

お客様はソムリエみたいにコレを
捉えることってできるでしょうか?

 

多分むずかしいだろうと思います。

 

つまり

 

" わかる人 "

 

というのはトレーニングしてるのです。

 

例えば芸術品を鑑賞するには

「レベルの高いものを理解できる」

という点で目が肥えていた方が理解できます。

 

みなさんも高い解像度で色を観察してきたハズ。

 

だから見分けられる。

 

でも

 

お客様は案外わからない。

「6、8レベルなんてどれも茶色だよね」

実はこんな捉え方。

 

本当にお客様は自分と
同じように見えているのか?

ここを疑ってみましょう。

 

技術は高いに越したことないが

もちろん技術は高いに
越したことないです。

 

でも何が言いたいかというと
私たちが認識できても

 

”お客様が認識できてなければ意味はない”

 

っていうこと。

 

ここで重要なのが

 

「サービスは伝わらなければ価値にならない」

 

という原則です。

 

みなさんが行うカラーやカットの
技術ってお客様からしたら90点。

 

例えば

・Jrスタイリスト
(デビュー3年目)

・スタイリスト
(デビュー5年目)

・TOPスタイリスト
(デビュー10年目)

 

という美容師さんがそれぞれいたとします。

彼らに同じスタイルを作らせ

・カットの技術

・カラーの技術

に皆さんが点数をつけるとしましょう。

結果

Jrスタイリスト50点

スタイリスト70点

TOPスタイリスト90点

こんな感じになったとします。

 

点数の違いは

・染まり具合

・カットラインのきれいさ

・毛量調整の均一性

・色ムラがないかどうか

・etc

 

など、つまり技術の違い。

 

ではこの3名の仕上がりを

 

"素人であるお客様"

 

に見てもらうとしましょう。

 

同じ点数、もしくは似たような点数
になるでしょうか?

おそらくなりません。

 

なぜか?

 

素人のお客様にはその差を
捉えることはできないからです。

 

90点を91点にしても

美容師から見て

 

"上手い下手が分かったとしても"

 

お客様からしたらどれも90点。

 

・カラーはだいたい一緒に見える。

・カットもだいたい一緒に見える。

・デビュー3年後の子が
切ったワンレングス

・デビュー5年後の子が
切ったワンレングス

・デビュー10年後の子が
切ったワンレングス

 

プロであるみなさんならわかる、

 

でも

 

お客様はその違いがわからない。

 

結果

"サービスは伝わらなければ価値がない"

に当てはまってしまう。

 

技術は当然重要です。

 

ただし技術だけを研ぎ澄ます
発想だとすでにお客様には

“十分に良い=90点”

と受け止められている部分を

 

さらに1点上積みする方向

 

に時間とコストを使うことになります。

 

うちがスタッフさんのカット確認をしないのは
技術がお客様にとって90点だと確信してるから。

 

デビューして3年間も現場に立ちスタイルを
切っていれば

 

カットは90点以上に達してる

 

と思ってるんですよね。

 

そこに指導をしてカットを教えても

せいぜい

 

90点→91点になるだけ

 

なので教えたとしてもお客様から
人気がでるかっていうと変わんないんです。

差をつけるのは薬剤と接客

90点を91点にする努力より

 

60点の領域を80点に引き上げる投資

 

のほうがインパクトが大きい。

 

例えばお客様がリピートするために
5つの要素が必要だとします。

 

外見と内装は等しく90点としましょう。

 

多くのサロンは技術向上を
するため練習をしますよね。

 

毎日、毎日トレーニング

ただすでにお客様から見て90点なので
いくらトレーニングしようが上がりません。

 

仮に伸ばしたとしても

90点が91点になるようなイメージ

 

現実に差をつけるべきなのは

 

薬剤+接客=体験価値

 

の二つです。

他で売上が30万だった方が

 

うちで売上90万の売上を作れる

 

この差は体験価値なんです。

 

体験価値とは?

 

うちのサロンが他のサロンと
大きく違うところ。

 

それは

 

薬剤が異なり

 

接客も異なる

 

したがって、うち独自の

 

薬剤+接客

 

が体験価値となり高い
リピートを実現するのです。

 

体験価値

・感動する体感

・わかりやすい説明

・写真での見える化

・ストレスのない施術

・次回来店を叶える動線

 

うちはコレを積み上げているだけです。

 

まとめ

同じ“虹”でも見える色数が違うように
仕上がりの差はお客様の解像度によって変わる。

 

90点を91点に磨くより
60点の80点に磨くほうが合理的。

 

伝わって初めて価値になる。

 

また技術は

 

高くなるほど伝わりにくくなる

 

という逆説をはらみ体験は

 

伝え方を整えるほど伝わりやすくなる

 

という特性をもつ。

 

技術を誇るのではなく
技術の意味を分かち合う。

 

90点を91点に磨く執念は確かに尊いです。

 

そこは否定してませんので
誤解なさらずに。

 

ただ経営するならコッチの方が

「売上アップ近道なんじゃない?」

と言っているだけです。

 

ぜひ参考にしてみてください。

 

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